んにちは。姫路はま矯正歯科院長の濱です。
今回は少し緊急性のあるテーマとして、2026年3月16日に発表された第119回歯科医師国家試験の結果について、矯正歯科医の立場から感じたことをブログとしてまとめていきたいと思います。
■ 第119回歯科医師国家試験の概要
まずは今回の試験結果を整理してみましょう。
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出願者数:3219人
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受験者数:2837人
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合格者数:1757人
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合格率:61.9%
この数字だけを見ると、単なる統計に見えるかもしれませんが、実際にはいくつか重要なポイントが含まれています。
まず注目すべきは、「出願者数と受験者数の差」です。約400人が出願したにもかかわらず受験に至っていないという事実があります。これはつまり、卒業できなかった、もしくは受験資格を得られなかった学生が一定数存在することを意味します。
さらに、2837人が受験し、そのうち1757人が合格ということは、約1100人が不合格となっています。

■ 合格率61.9%は過去2番目の低さ
今回の合格率61.9%という数字は、実は過去2番目に低い水準です。
前年(第118回)の合格者数は2136人でしたが、今回は1757人と約400人減少しています。
私が国家試験に合格した第100回の頃は、合格者数は2500〜2600人程度だったと記憶しています。それと比較すると、この20年で500人以上も減少していることになります。
ここから読み取れるのは明確で、国として歯科医師数を意図的に絞っているという流れです。
■ 歯科医師数抑制政策のメリット
この政策には、当然ながらメリットも存在します。
① 歯科医師の質の向上
合格者数を絞ることで、より高い学力・知識を持つ人材のみが歯科医師になる構造が生まれます。
結果として、歯科医療全体の質の底上げが期待されます。
② 学生の学習意欲向上
国家試験が難化し、合格枠が狭くなることで、学生は早い段階から試験を意識した勉強を行うようになります。
6年間を通して高い緊張感を持ち続けることで、学習習慣や基礎力の強化につながります。
■ 一方で見えてくる深刻なデメリット
しかし、この流れには無視できない問題もあります。
① 歯科医師の高齢化
現在の歯科医師の年齢構成を見ると、
つまり、**50歳以上が全体の約45%**を占めています。
これはかなりの高齢化です。今後10〜20年で多くの歯科医師が引退することを考えると、急激な人材不足に陥る可能性があります。
② 将来的な歯科医師不足
かつては「歯科医師過剰」と言われていた時代もありましたが、現在はその反動で新規参入が減少しています。
このままいくと、
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地域による医療格差の拡大
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予約の取りにくさ
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一人あたりの診療負担増加
といった問題が現実化してくるでしょう。
③ 保険診療への影響
歯科医師数が減ることで、将来的には保険診療の維持にも影響が出る可能性があります。
人手が不足すると、効率や採算性が重視されるようになり、
といった方向に進む可能性も否定できません。
これは患者さんにとっても大きな影響を与える問題です。
■ 大学別合格率の格差も拡大
今回の試験で特に印象的だったのは、大学ごとの合格率の差です。
例えば、
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東京歯科大学:約94%
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岡山大学(国立):約92%
といった高い合格率を維持している大学がある一方で、大学によっては大きく下回る結果となっています。
■ 日本大学歯学部の現状について
私の母校である日本大学歯学部についても触れておきたいと思います。
2026年の結果は以下の通りです。
新卒
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出願者:121人
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受験者:102人
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合格者:59人
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合格率:約57%
既卒
総合合格率
正直に言って、かなり厳しい結果です。
かつては90%以上の合格率を誇っていた時代もありましたが、現在は大きく低下しています。

■ 合格率低下がもたらす負のスパイラル
大学の合格率が低下すると、次のような問題が起こります。
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受験生が志望校として避ける
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優秀な学生が集まりにくくなる
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国家試験合格率がさらに低下する
このように、負のスパイラルに陥る可能性があります。
■ 今後に求められる大学の戦略
日本大学に限らず、多くの私立歯科大学にとって重要なのは、
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国家試験対策の強化
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教育体制の見直し
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進級・卒業基準の適正化
といった「戦略的な改革」です。
特に、「卒業させる=合格させる」という責任のあり方が問われている時代だと思います。
■ 卒業生としての期待
私自身、日本大学歯学部は素晴らしい大学だと思っています。
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熱心な教育者
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長い歴史
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都心(御茶ノ水)という立地
これだけの強みがあるにもかかわらず、現状の結果は非常にもったいないと感じています。
すぐに結果が出るものではありませんが、中長期的な視点での改革と方針転換を強く期待しています。
■ まとめ
今回の第119回歯科医師国家試験の結果から見えてきたのは、
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合格率の低下
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合格者数の減少
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歯科医師の高齢化
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将来的な人材不足
といった、日本の歯科医療を取り巻く大きな変化です。
政策としての意図は理解できるものの、
このままでは医療提供体制そのものに影響が出る可能性もあります。
私たち臨床家としても、この流れを正しく理解し、
これからの歯科医療の在り方について考えていく必要があると感じています。