医院ブログ

2020/08/24

マウスピース矯正の治療限界について

みなさんこんにちは、姫路駅徒歩2分姫路はま矯正歯科 院長の濱です。医院ブログの更新

が遅れてしまいました、1月に2回は更新しようと決意したのですが…継続していく事の

難しさを再認識しました。MFT(筋機能療法)の継続と同じで、続ける技術が重要ですね。

姫路市の新型コロナウイルス感染者が累計で100人を超えました、当院では感染防止に最

大限の配慮をしていますが再び緊急事態宣言が出た場合は再度診療体制の縮小を行います、

何卒ご理解ご協力の程宜しくお願い申し上げます。

 

本日のテーマはマウスピース型矯正装置の治療限界についてです。数年前と比較すると格

段に適応できる範囲も増えてきましたが、まだまだ従来型の矯正装置と比べると適応範囲

が狭いのが現実であるとは思えます。上顎前突(出っ歯)の場合基本的には上顎大臼歯の遠

心移動を行いますが、論文にもあるように最大3mmの移動しか出来ません。下顎前突(受

け口)の場合は下顎大臼歯の遠心移動を行うのですが、下顎臼歯の遠心移動量は最大2mm

です。つまりその範囲の中でおさまる状態なら適応可能ですが、範囲を超える場合は遠心移

動ではなく抜歯を行うなどの他の方法に変更する必要があるのです。将来は矯正用アンカ

ースクリューとマウスピース型矯正装置を併用した治療方法が確立され、適応範囲は広が

ることが考えられますが現在は確立されていません。また口元が出ている場合や前歯が前

に倒れている場合は、前歯を内側に倒すことで大きな改善が得られます、抜歯をすることが

第一選択になってくるのですが非抜歯ですと大きな口蓋側(舌側)への歯牙の傾斜はできま

せん、抜歯を用いてマウスピース型矯正装置を使用することも考えられますが、アライナー

の枚数が多くなり治療期間が長くなってしまうことがデメリットとなります。

 

装置のメリット・デメリット・治療限界を見極めて、患者さんの主訴がどこなのか、どのよ

うな治療ゴールを目指すのかを術者と十分に話し合い、治療法方を選択することが重要だ

と思います。決して術者ファーストの治療を行ってはいけないと思います。

 

関連記事