医院ブログ

2020/05/03

歯科矯正治療とコロナウイルス感染のリスクについて

こんにちは院長の濱です。4月上旬より緊急事態宣が発動されていますが本日5月31日まで期限が延長されることが発表されました。これに伴い政府より休業要請が多くの事業所にたいして出されていますが、矯正歯科医院を含む医療機関に対しては休業要請がだされていません、そのため当院もこれに則り休業はおこなわず診療を継続していくこととします。

しかしながら兵庫県においては667人、姫路市においては40人の感染者が報告されております(5月3日現在)。また今朝の神戸新聞の記事によると4月7日までの8日間に神戸中央市民病院に来院した1000人の患者さんの血液から3%の抗体が検出されたという事です。

これは神戸市内で4月上旬には4万人の感染者がいたという計算になるとの予想になります。姫路市は人口が神戸市の約半分なので姫路市内の感染者数は想像するのは難しくないでしょう。このような状況になると自分は感染をしている、回りの人も感染をしていると思いながら日々行動していかなくてはいけません。歯科医院内も今までも十分に感染予防対策をしてきましたが、今後も継続して大げさなぐらいの感染予防対策を長期間行っていかなくてはいけません。矯正歯科専門医院は一般的な歯科医院と比較して患者さんの1日当たりの数も少なく、ウイルスを空気中に拡散させる歯面削合、技工物削合、抜歯がほとんど行われません。合わせて流水下でのスケーリングや歯面清掃を行わなければ感染リスクを大きく減らすことができると考えられます。また日本矯正歯科学会からも以下のようなアナウンスが発表されています。

「矯正歯科治療は基本的に毎月の診察(装置の調節など)が適切ですが、今回の新型コロナウイルス感染拡大のような理由により、その診療間隔が1ヶ月以上になっても、比較的長期にわたる矯正歯科治療において治療結果や治療に大きな影響を与えることは少ないといえます。したがって、クリニックによっては、診療室、待合室での「密集、密接」を防ぐために診療スケジュールや治療内容を変更などの対策を行う場合があります。」

成人の方で治療が始まっており期間をあけると装置の脱落、不具合が生じるようであればこれに該当はしないと思います。また脱落しやすく、していても分かりずらい装置(裏側・舌側矯正装置)も月に1回は調整が必須です。お子さんの矯正装置やリテーナー、インビザラインといった可撤式装置は延期可能ですし、経過観察や精密検査といった処置内容の延期も可能です。いずれにせよ主治医との意思疎通が必要になってきます。

 

多くの病院で医療従事者の方々が懸命に働いています、生活基盤を支えるために働いていただいている方もいます、そして家庭で学校に通えない子供達をケアしていただいている方もいます。多くの皆さんの努力に感謝しながら、私たちに出来ること1つずつ探して行い、1日でも早く終息に向かって欲しいと切に願います。

 

濱 友彦

当院で使用している裏側矯正装置の例

 

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