2025/11/13
こんにちは。姫路はま矯正歯科院長の濱です。
今回は「小児矯正(一期治療)」について、メリットやデメリット、そして実際に治療を検討する際に知っておくべきポイントについてお話ししたいと思います。
小児矯正、いわゆる「一期治療」とは、永久歯がすべて生えそろう前の時期、だいたい6~11歳ごろに行う矯正治療のことです。主に顎の成長をコントロールしたり、歯の生えるスペースを確保したり、将来的に歯並びや咬み合わせを整えやすくするための治療です。
この段階で行う治療の目的は、見た目を整えるというよりも「正しい顎の発育と歯列の誘導」を行うことです。そのため、治療を行うかどうかの判断は非常に重要になります。

一期治療には多くのメリットがあります。
まず、顎の成長期にアプローチするため「成長の力を利用できる」という大きな利点があります。例えば下顎前突(受け口)や上顎前突(出っ歯)など、骨格的な問題を早期に改善できるケースも多く、将来的に外科手術を回避できる可能性もあります。
また、永久歯が正しい位置に生えやすくなり、将来の抜歯リスクを減らすこともできます。さらに、口呼吸や舌癖などの悪習癖を早期に改善できる点も見逃せません。これらの習慣を放置すると歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼすことがあるため、早期の介入が有効です。
一方で、一期治療にはデメリットも存在します。
まず、治療期間が長くなりやすい点です。成長期の治療は一度で終わるものではなく、経過観察を含めると数年にわたる場合もあります。そのため、お子さんのモチベーションの維持が課題になることもあります。
さらに、費用の面でも注意が必要です。
当院ではできる限り負担を抑えるようにしていますが、医院によっては「調整料」「処置料」といった形で、毎回の来院ごとに費用が発生する場合もあります。長期的に通院することで、結果的に二期治療だけ行うよりも費用がかさんでしまうこともあるのです。
また、一期治療で改善が十分でなかった場合は、永久歯が生えそろった後に「二期治療」が必要になることがあります。つまり、一期治療を行ったからといって、必ずしも二期治療が不要になるわけではないという点も理解しておくことが大切です。
では、実際に一期治療を行うべきかどうか、どのように判断すればよいのでしょうか。
最も大切なのは、精密検査と正確な診断です。
歯並びの状態や顎の成長方向、遺伝的な要素、悪習癖などをしっかりと分析し、「今の段階で治療が必要か」「治療しなければ将来どうなるのか」を見極める必要があります。
例えば下顎前突(受け口)の場合、成長期に適切な治療を行わなければ、骨格的なズレが進行してしまい、将来的に外科手術が必要になるケースもあります。一方で、軽度の不正咬合であれば、永久歯が生えそろうまで経過観察をして、二期治療だけで対応できる場合もあります。
この判断には、矯正医の経験と診断力が大きく関わってきます。しっかりと検査を受けたうえで、複数の治療プランを提示してもらい、保護者の方が納得して選択することが大切です。

小児矯正で使用する装置は、取り外し式のものも多く、どうしても紛失のリスクがあります。
装置をなくした場合は再製作が必要になりますが、その際に費用がかかるかどうかは医院によって異なります。当院では原則として再製作費用はかかりませんが、事前に確認しておくと安心です。
装置を装着中に虫歯が見つかった場合は、一時的に装置を外して治療を行う必要があります。その際、装置を作り直す場合に費用が発生するかどうかも医院によって違います。こちらも事前に確認しておくとよいでしょう。
小児矯正は年単位の長期治療です。途中でお子さんのモチベーションが下がることも珍しくありません。無理に続けるのではなく、一時中断して成長を待ち、永久歯が生えそろってから二期治療を行うという選択もあります。その際、既に支払った費用との差額の扱いなども含め、医院側に確認しておくことをお勧めします。
もし思ったような結果が得られなかった場合でも、焦る必要はありません。
その場合は再度検査・診断を行い、必要に応じて二期治療に移行します。抜歯の有無や追加装置の使用、場合によっては外科的治療を検討することもあります。いずれにしても、経験豊富な矯正専門医のもとで再評価を受けることが重要です。
小児矯正(一期治療)は、お子さんの将来の歯並びや顎の発育に大きな影響を与える大切な治療です。
一方で、期間や費用、本人の協力度など、保護者のサポートが欠かせない側面もあります。
まずは信頼できる矯正専門医のもとでしっかりと検査・診断を受け、「なぜ今治療を行うのか」「治療を行わない場合どうなるのか」を理解したうえで判断することが大切です。
治療方針を決める最終的な判断はご家族の皆さんに委ねられます。お子さん本人ともしっかり話し合い、無理のない形で治療に取り組むことをおすすめします。
当院では、費用体系や治療方針についても事前に丁寧にご説明しております。
一期治療を始めるか迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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