2025/12/04
目次
こんにちは。姫路はま矯正歯科 院長の濱です。
当院のブログでは、これまで様々な矯正治療の特徴やメリット・デメリットについてお話ししてきましたが、今回もよくご相談いただく治療方法について取り上げたいと思います。
テーマは 「床矯正」 です。
「床矯正」と書いて「しょうきょうせい」と読み、特に小学生のお子さまに用いられることが多い取り外し式の矯正装置です。保護者の方からの関心や質問がとても多いため、本記事でしっかり解説していきたいと思います。
床矯正は、取り外しが可能な装置を使用する治療方法です。装置にはネジやワイヤーが付いており、
歯列の幅を拡大する
歯を押し出す・動かすことで噛み合わせを改善する
といった効果があります。
特に、
永久歯が生えそろう前
顎の成長が期待できる小学生
に適応しやすい治療です。
反対に、成人や永久歯列が完成している方には使用できるケースが限定されます。
小矯正は“顎が成長するタイミング”を利用して行うことで、将来的なワイヤー矯正(固定式)の負担を減らせる可能性があります。
たとえば…
| 治療内容 | 効果 |
|---|---|
| ネジを回し上顎を拡大する | 将来の歯並びのスペース確保 |
| 数歯のみ押し出す | 反対咬合の改善 など |
「小児矯正の第一段階」として行われることも多い治療です。

食事中に取り外せるため、通常の歯磨きが可能です。
固定式装置と比べて虫歯のリスクが少ないのが大きな利点です。
さらに、親御さんが仕上げ磨きをしやすいのも良いポイントです。
固定式装置に比べ、痛みや口内トラブルが起きにくい傾向があります。学校生活でも対応しやすい面があります。
成長期の「骨の柔らかさ」を最大限に活かし、将来の抜歯リスクを軽減できる場合があります。
これは小児期にしかできない治療です。
取り外せる=サボれる
ということでもあります。
指示時間を守らない
学校や部活での使用が難しい
装着に対する本人の「やる気」が必要
お子さまの性格や環境を考慮した判断が必要です。
体育の授業で外してポケットに → 落とす・破損
食事中にティッシュへ包んで → 捨てられる
旅行先へ置き忘れ
など、意外とよく起こります。
装置はオーダーメイドなので再製作には費用がかかり、治療期間の遅れにもつながります。
小矯正でできるのは **「歯の角度を変えることによる拡大」**が中心です。
強く骨に働きかけることは難しく、
たとえば上顎の正中口蓋縫合を大きく開く必要がある症例では不向きです。
事前の精密検査と診断が非常に重要です。

正直に言うと、装置を使えなければ効果はほぼ出ません。
その場合は次の選択肢として
固定式装置(ワイヤー矯正)へ治療方針変更
が必要になる場合があります。
事前に医院が幅広い治療方法に対応しているかどうかを確認しておくと安心です。
医院によって異なります。
装置代が再度必要
材料代のみで済む
再装着の調整料が発生する
などさまざまです。
事前に説明を受けておきましょう。
毎日、柔らかめの歯ブラシで磨いてください
歯磨き粉は基本的に使用NG
(研磨成分で傷・着色の原因)
洗浄剤は週1〜2回で十分
必ず医院が推奨する専用品を使用しましょう。
市販品は成分が異なり、劣化や破損につながる可能性があります。
小矯正はメリットの多い装置ですが、
「誰にでも効果が出る万能な治療」ではありません。
患者さんの成長発育を読む診断力
装置使用に対する患者さんの協力度
装置破損や紛失を防ぐ環境づくり
この3つが非常に大切です。
成長とともに改善できる大事な時期を逃さないためにも、
経験豊富な歯科医師のもとで適切な診断と治療計画を立てることをおすすめします。
| 床矯正の魅力 | 床矯正注意点 |
|---|---|
| 取り外しできて清潔 | 使用時間を守らないと効果が出ない |
| 痛み・負担が少ない | 破損・紛失リスク |
| 成長を活かせる | 対応できる症例が限定的 |
お子さまの歯並びについて心配な点がある場合は、いつでもお気軽にご相談ください。
正しい診断を行い、最適な治療をご提案いたします。
姫路はま矯正歯科では、初診相談も受け付けております。
お子さまの将来の笑顔のために、早めのチェックがおすすめです。

|
2025.12.11 取り外し式との違いは?固定式矯正装置のメリット・デメリットをプロが解説 |
|
2025.11.27 外科矯正は怖くない?手術のリスク・術後の生活・通院期間まとめ |
|
2025.11.20 部分矯正は本当に安い?治療期間から後戻りリスクまでメリットデメリットを網羅 |