医院ブログ

2026/02/05

受験と歯列矯正は両立できる?受験期の注意点と対処法を専門医が解説

受験期における歯列矯正治療の注意点

〜受験生ご本人と保護者の方にぜひ知っておいていただきたい大切なお話〜

皆さんこんにちは。
姫路浜矯正歯科、院長の浜です。

前回のブログから少し期間が空いてしまいました。年末年始を挟み、気がつけば本格的な受験シーズンに入っていますね。共通テスト、大学受験、中学受験、そして高校受験と、今まさに人生の大きな節目を迎えている方も多いのではないでしょうか。

当院にも、受験生の患者さんが数多く通院されています。
「受験勉強と矯正治療を両立できるか不安です」
「試験直前に装置の調整をしても大丈夫でしょうか」
「忙しくて歯みがきがおろそかになりそうで心配です」

この時期になると、こうしたご相談をいただく機会が一気に増えます。
そこで今回は、受験期に歯列矯正治療を行っている方が特に注意してほしいポイントについて、歯科医師の立場から詳しくお話ししたいと思います。


① 受験期に最も気をつけたい「歯みがき・セルフケア」

受験期において、まず一番大切なのはお口の中の清潔を保つことです。
特に矯正治療中の方は、通常よりも歯みがきが重要になります。

受験生の生活を振り返ってみると、
・朝は慌ただしく登校
・昼食後は歯みがきをする時間がない
・放課後は塾や自習室へ直行
・夜遅く帰宅して軽食をとり、そのまま勉強
・気づけば歯みがきをせずに就寝

このような生活リズムになってしまう方は決して少なくありません。

私自身、学校歯科健診で高校生を診る機会がありますが、学年が上がるにつれてむし歯の本数が増えている生徒が多いことを実感します。これは全国的な傾向でもあり、
・間食の増加
・糖分摂取の頻度
・歯みがき回数の減少

これらが重なることで、むし歯のリスクが一気に高まります。

矯正装置がついている場合、ブラケットやワイヤーの周囲に汚れが溜まりやすく、通常よりもむし歯になりやすい状態です。
「忙しいから仕方ない」とケアを後回しにしてしまうと、治療途中でむし歯が見つかり、矯正を一時中断しなければならないこともあります。

どうしても時間が取れない場合は、
・最低限うがいをする
・歯ブラシを持ち歩く
・夜だけは必ず丁寧に磨く
・可能であればフッ素入り歯みがき剤を使う

といった工夫を心がけてください。
「完璧を目指す」のではなく、「できることを続ける」ことが何より大切です。


② 装置トラブルが起きたときの心構えと対処法

次に重要なのが、矯正装置のトラブルへの対応です。

受験期は通院間隔が空きやすく、
・ブラケットが外れた
・ワイヤーが伸びて頬や唇に当たる
・違和感や痛みで集中できない

こうしたトラブルが起こることがあります。

特に注意したいのが、試験直前や試験当日のトラブルです。
痛みや違和感があると、どうしても勉強や試験に集中できなくなってしまいます。

もし歯科医院を受診できる状況であれば、早めに連絡し、緊急処置を受けてください。
・外れたブラケットを一時的に外す
・飛び出たワイヤーをカットする
・粘膜を傷つけている部分を調整する

これらは短時間で対応できることがほとんどです。

一方で、受験当日などどうしても歯科医院に行けない場合もあります。
そのような場合には、
・ワイヤーが飛び出している場合、清潔な爪切りで短く切る
・ブラブラしている装置は無理に触らない
・痛い部分に矯正用ワックスがあれば使用する

など、ご自宅でできる応急対応を行ってください。
事前に「万が一の対処法」を知っておくだけでも、精神的な安心感につながります。


③ 試験前後の矯正治療のタイミング調整

矯正治療では、ブラケットやワイヤーを使用している場合、通常は1か月に1回程度の通院が必要です。
調整後は、歯が動くことによる痛みや違和感が2〜3日続くこともあります。

そのため、
・入試本番
・大切な模試
・面接試験

こうした重要なイベントの直前には、あえて通院をずらすという判断も必要になります。

ただし、通院間隔を長く空けすぎると、
・装置が外れやすくなる
・治療が計画通り進まなくなる

といったリスクも生じます。
大切なのは、受験スケジュールを担当医に正確に伝えることです。

試験が終わったタイミングで早めに通院を再開すれば、治療全体への影響を最小限に抑えることが可能です。


④ 受験後に考えておきたい「通院継続」と転院の問題

受験が終わると、新生活が始まります。
大学進学や引っ越しなどにより、今まで通っていた歯科医院への通院が難しくなるケースも少なくありません。

その場合、
・月1回の通院が可能か
・移動時間や交通費は現実的か

これらを冷静に考える必要があります。

通院が難しい場合は、転院を検討することも選択肢の一つです。
転院を考える際には、
・返金の有無
・紹介状を書いてもらえるか
・現在の装置が引き続き使えるか
・新たな費用が発生するか

といった点を、事前にしっかり確認しましょう。

また、歯を動かす治療(動的治療)が終わり、保定期間に入っている場合は、3〜6か月に1回の通院で済むこともあります。
その場合、帰省のタイミングで通院を続けられる可能性もありますので、治療の進行状況を含めて担当医とよく相談してください。


まとめ:受験と矯正治療は両立できます

受験期は、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかる時期です。
その中で矯正治療を続けることに不安を感じるのは、決して珍しいことではありません。

しかし、
・歯みがき習慣への意識
・装置トラブルへの備え
・通院タイミングの調整
・受験後の通院計画

これらをしっかり押さえておけば、受験と歯列矯正治療は十分に両立可能です。

受験生の皆さん、そして支えておられる保護者の方々が、安心して新しい一歩を踏み出せることを心より願っています。
矯正治療について不安や疑問があれば、いつでも遠慮なくご相談ください。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

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